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✔増える転倒、訴訟にも

《転倒によるトラブルを防ごう》

 業務中の事故として常に上位に挙げられるのが、墜落・転倒です。

 しかし、こうした労災だけではなく、日常生活の中でも転倒は多くみられ、訴訟へと発展してしまうケースも少なくありません。

 野菜売り場の床にあった野菜の水滴により転倒し骨折してしまったことで訴訟となり、店側に2千万円を超える賠償が命じられたケースや、レジ前に落ちていた天ぷらによって転倒し最高裁へと持ち込まれているケース、、商業施設内のアイスクリーム店前に落ちていたアイスクリームにより転倒し施設側に約860万円の賠償が命じられたことなどがそれにあたります。

 これらは、店側にその事故が起こりうることが予測できたか、また、回避のための措置を講じていたかどうかが判断の基準となることが多いようです。

 16年に消費者庁がまとめたデータでは、商業施設やスーパーなどで起きた転倒事故は、約7年間で602件発生しており、その内、何らかの理由により床が濡れていたことが原因とされるものは224件に上がります。

 雨などにより濡れていた場合や、商品についていた氷や水により濡れた場合などが挙げられますが、天候や商品によって一般的に予想ができると思われることについては定期的に清掃を行うなどの対策は当然であり、さらに滑り止め用にマットを活用したり、利用者に対しても、足元等への注意を促すことは当然の対策であると考えられます。

 一方、そのような売り場でない事務を行うようなオフィスであったとしても、些細な配線やそれをカバーする段差、降りていた小さな紙切れが思いがけない転倒を引き起こす可能性もあり、転倒する可能性がゼロではない以上、安全対策を行う必要があります。

 日頃から清掃に注意を払うことはもちろん、いつもの会話の中で危険につながると気づいたことは早めに改善し、注意が必要なことに対しては情報を共有しておきましょう。

 また、裁判では利用者側に対しても注意を払う責任が指摘されることも少なくなく、まずは足元へ注意を向け、危険があれば改善策をとり、共に転倒を防げるようにしましょう。