

トピックス
TOPICS
適切な休憩の取得を
《「休憩」とは労働から完全に離れた状態》
25年5月、大阪府の子供一時保護施設で、夜勤業務に従事する非常勤職員の休憩時間が、実態上労働時間に該当し、休憩には当たらないとして、労働基準監督署より是正勧告が行われた事案が、府より公表されました。
4月、同施設で勤務する非常勤職員から「休憩を取得できていない」とする通報を受けたことで、労基署による現地調査が実施されました。調査では、夜勤業務に従事する一部の非常勤職員の「休憩時間とされていた3時間30分の間」について、使用者の明示または黙示等の指示に基づき、子供が就寝している部屋において子供とともに就寝すること、及び非常時には常勤職員に報告を求められている実態が確認されました。
労働基準法において、休憩とは「労働から離れることを保証されている時間」を意味するため、即時に業務に従事することを求められ、労働から離れることを保障されていない状態で待機等をしている時間は、いわゆる手待ち時間として労働時間に該当し、休憩には当たらないとされています。このことから、この事案における休憩時間の「3時間30分」は、労働時間に該当すると判断されました。そのため府に対し、直近6か月を対象として、休憩を与えることができなかった時間に対する割増賃金(深夜割増賃金を含む)の支払いを命じ、また、今後、休憩を適正に取得できるような体制作りを早急に検討して実施し、その実績を報告することとしました。
この是正を受けた府は、今後の対応として、
〇休憩を適正に取得できるよう、夜勤業に従事する非常勤職員の休憩場所を変更
〇勧告の対象となったすべての非常勤職員に対し、勧告に基づき、休憩を与えることができなかった時間に対する賃金を支払う
〇一時保護施設の体制整備等の必要性について、早急に精査、検討する。
とし、本事案の内容を公表しました。
休憩は、労働者の健康を守るため適切な時間を確保することが求められており、業務に追われて休憩が取りにくいなどの状況は、改善策を講じる必要があります。