トピックス

TOPICS

✔負荷要因も判定要素へ

《脳・心臓疾患の労災認定基準 改正》

 心筋梗塞などの「心疾患」、脳梗塞などの「脳血管疾患」について、発症に至るには様々な要因がありますが、仕事が主な原因で発症する場合もあります。

 これらは「過労死」とも呼ばれていますが、この業務による過重負荷を原因とする脳出血や心筋梗塞等の疾患の労災認定基準が、約20年ぶりに改正されました。

 これまで基準となっていたのは01年に改正されたものでしたが、当時と比べ働き方が多様化し職場環境も変化してきていることから、働く人の実態に応じてより柔軟に判定ができるよう、最新の医学的知見も踏まえ、見直されることとなりました。

長時間の加重業務の評価にあたり労働時間と労働時間以外の負荷要因を総合評価して労災認定することを明確化しました

・発症前1ヵ月におおむね100時間または発症前2ヶ月間ないし6か月間にわたって、1ヶ月あたり80時間を超える時間外労働が認められる場合について業務と発症との関係が強いと評価する(改正前の要件)ことを維持した上で、この水準に至らなかった場合も、これに近い時間外労働を行った場合には「労働時間以外の負荷要因」の状況も十分に考慮し、業務と発症との関係が強いと評価できることを明確にしました。

長期間の過重業務、短期間の過重業務の労働時間以外の負荷要因を見直しました

・勤務間インターバルが短い勤務や身体的負荷を伴う業務、心理的負荷を伴う業務などが評価の対象として追加されました。

短期間の過重業務・異常な出来事の業務との関連性が強いと判断できる場合を明確化しました

・短期間の過重業務の例・・・発症直前から前日までの間に特に過度の長時間労働が認められる場合や、発症前おおむね1週間継続して深夜時間帯に及ぶ時間外労働を行うなどの過度の長時間労働が認められる場合

・異常な出来事の例・・・業務に関連した重大な(人身)事故に直接関与した場合、事故の発症に伴って著しい身体的、精神的負荷のかかる救助活動や事故処理に携わった場合、など